キャリア形成に関する研修で講師として登壇しました。
地方公務員の方を対象にしたキャリア形成に関する研修があり、7月の6日間にわたり講師およびアシスタントを担当しました。
この研修は、入社から数年経ち、改めて自身のキャリアについて考え、今後どのように仕事に向き合っていくかを考えるためのものです。キャリアとは何か?という概念のお話から、キャリアマネジメントの時代背景と必要性、自分の強みや弱みを知るためのワーク&ディスカッションなどをおこないました。
※本キャリア形成研修はアール&キャリア様の企画・運営です。
■『外的キャリア』と『内的キャリア』
「キャリア」の定義は様々ですが、仕事を通してのキャリアとして大切なのは「外的キャリア」と「内的キャリア」です。
【外的キャリア】
勤め先や役職、学歴、職歴、肩書きなど、名刺や履歴書に書くことができるようなものが「外的キャリア」です。共通の物差しがあり、相手から客観的に評価されやすいキャリアなのでアップもダウンもあります。
外的キャリアを目標に置く場合
「いい会社(大学)に入りたい」、「課長になりたい!」というイメージです。
【内的キャリア】
仕事に対する価値観や思い、やりがい、興味、使命感など、外からは見えない自分の心の中にあるものが内的キャリアで、外的キャリアを決める、あるいは選択する基準・制約とも言えます。なぜその仕事をしたいのか、なぜその職業を選ぶのか、なぜその会社で働きたいのか、というときの“なぜ(目的)”が内的キャリアです。
内的キャリアがはっきりしていないと外的キャリアを決めることができません。
内的キャリアを目標に置く場合
「みんなが楽しく働けるようまとめていきたい」とか、
「自分の専門性や技術を高め、能力を発揮することに喜びを感じる」というイメージです。
「外的キャリア」と「内的キャリア」では、
「内的キャリア」の方が本人の満足度への影響が大きいといわれています。
「内的キャリア」はポータルスキルと呼ばれ、持ち運びができてどこででも活かすことができるスキルです。また、内的キャリアを高めるとモチベーションを高めることができます。
■内的キャリアの重要性
企業にとって、従業員の内的キャリアの充実度は軽視できません。
内的キャリアは本人が話すか、態度に表わさない限りまわりはわかりません。仕事のポジションや報酬といった外的キャリアが充実していても、やりがいを感じない、働きがいがないという、内的キャリアが不足している組織は「業績」と「人材の採用と定着」に影響がでます。
内的キャリアが充実すると、もっと活躍したい、もっと成果を出したいと従業員は仕事に前向きになり、高いパフォーマンスを発揮します。内的キャリアの充実度が高い企業は、従業員一人当たりの生産性が高いと言われています。また、働きがいが高いほど離職率が低く、従業員が定着することで、新卒や中途も安心して入社できます。
「働きやすさ」というと、労働条件や福利厚生など、目に見える外的な要素に焦点があたりやすいですが、従業員それぞれの「働きがい」などの内的キャリアに注目する企業が増えているのです。
今回のキャリア形成研修は、朝9時から17時20分まで濃い内容がつづき大変でしたが、キャリアは生き方、自分のあり方にかかわるので学んでよかったなぁと改めて感じることができました。