岐阜県立池田高等学校

活躍できるステージを与えれば
生徒が育つということが実感できました。

教育界以外の社会経験がある方の指導を

2015年度に池田町でキャリア教育活動計画が始まり、2016年度に当校で「学校を飛び出して池田高校の先輩を取材しよう」という課外授業を行いました。そして、今年(2017年度)は「学校を飛び出して地元で活躍するオトナを取材しよう!」を実施しています。この課外授業は、KOHOプラスワンさんが池田町に出された企画で、町のキャリアコーディネーターの方とより深めて提案いただきました。内容を聞いて、人生の先輩に取材をして、それを記事にすることは、ただ見るだけではなく働いている人の想いを聞くことができるとても良いアイデアだと思いました。しかし、取材に連れて行くための段取りや、成果物を作るための指導のことを考えると、手間がかかりすぎるため教員にはできないと思ったんです。ですが、KOHOプラスワンさんが運営も行われるとうかがい、広報などを行う「伝えることのプロ」なのだと感じて、ぜひお願いしたいと思いました。ずっと教育に携わっているとどうしても視野が狭くなります。ですから、実際の社会で経験のある方にご指導いただきたいと思っていたんです。

社会人基礎力を体験から学ぶ

これまでも、講演会やNPOの方をお招きしての授業を行ったことがあります。こうした授業は生徒の反応も良いんですが、ワンショットでの開催です。今回のように3か月ちょっと時間をかけて行うのは非常に良いと思いました。それに、「飛び出して」が良いですね。学校の中だけでは得られないことがあります。ボランティアを積極的に勧めているのも、外に出て何かを感じてほしいからです。
それから、提案の中にあった「社会人基礎力」についても納得できました。教育の世界でもずっと言われていますが、それをどう教えていくかが問題でした。提案の中で、取材内容の検討や魅力的な写真撮影の仕方などから「課題の発見」について体感する、といったように一連の取り組みの中で、どのプロセスがどんな力に結びつくか具体的に示されていて非常に分かりやすかったです。社会人基礎力を身に着けていくためには、体験から学ぶことが必要だと思います。

キャリア教育プログラムを変革の核に

池田高校を変革していく核のひとつがこのキャリア教育プログラムだと思っています。「生徒の夢を実現する学校」のために勉強をする仕組みは学校の中にあります。その勉強を何故するのか?という部分をキャリア教育プログラムで支えてもらっています。1年目のキャリア教育の取り組みにかなり手ごたえを感じました。そして、実施中の2年目にも期待していますし、今後も続けていきたいと思っています。もちろん、池田町の協力が必要ですけどね。私はこのプログラムに特化して続けていくことが重要だと思います。どんどん蓄積していくことでさらに高い効果が期待できると思うんです。
そして、生徒たちが進路をネガティブな気持ちや消去法で選ぶのではなく、夢や希望を持って進んでいけるようになってほしいと思っています。